院長の「JoJoブログ」

アンチエイジング

2012-04-16 18:45:40投稿

最近、2冊の本を続けて読んだ。
笑えるくらい、内容が両極端だったので、少しここで紹介したい。

まずは2冊の本の共通点。いずれも著者は、50歳代の男性医師で、内容はアンチエイジングについて。要するに、老化を防ぐマニュアル本のようなものなのだが、二人がアンチエイジングのために主張している共通点は、喫煙をしないということと、激しいスポーツをしないということくらい。あとは、ことごとく、食い違っている。

初めに読んだのは、和田秀樹著 ”「がまん」するから老化する”

和田氏は、精神科医(もっとも現在は医者としては働いておらず、受験の分野で活躍中)として、老人医療に携わってきた経験から、いつまでも若々しく生きるには、心の健康が一番大事という意見だ。
戦後、日本人の寿命がのびたのは、食生活の欧米化で、栄養が豊富にとれるようになったことが主な原因だという。欧米化、欧米化というけれど、現在の日本人でアメリカ人の平均以上に、肉を食べたり、乳製品をとっている人は少ないし、肥満といっても、欧米人のような200㎏を超えるような病的肥満をみることはまずない。昭和前半のまずじい時代に比べれば、体型も大きく丈夫になっており、もっと肉をたべても全然OKというわけだ。むしろ、食べたいものを我慢しすぎるのは、精神衛生上よくない。コレステロールが低すぎたり、BMI20未満のやせは明らかに寿命が短い。ちょっと太めのBMI25~30の間が最も長生きだし、コレステロールも正常値を少し超えたあたりが健康的だというのが、著書の大まかな内容だった。

次に読んだのが、南雲吉則著 ”50歳を超えても30代に見られる生き方”

南雲氏は、乳腺外科医で、食生活の欧米化でがんになる人が増えたので、それに批判的だ。とにかく、自分自身の生活習慣が何よりもアンチエイジングそのものだと主張している。まず、食事はほぼベジタリアン。肉はたべず、ゴボウ茶をのみ、食べ物は皮もすべて丸ごと食べることが大事。食事量は、腹六分目で十分で、茶碗などの食器は子供用のサイズを使用しておかわりをしない。睡眠は成長ホルモンの分泌される10時から2時の間にとればそれだけでよい。花粉症は、マスクをやめて鼻で息をせず、口から花粉を吸いこんで退治するとか、冷え性の人ほど薄着をしたほうがよいなど、まあ、私には実行不可能なことがことごとく並んでいる。

二人とも、実際、本人は、「若く」みられており、健康そうなので、それはそれで否定するものではないけれど、和田氏が老人医療で多くの老人をみてきた立場での主張であるのに比べて、南雲氏は自分がそれを実践して若返りに成功したという自慢話であるというのが最も違う点だと思う。

アンチエイジングというのは、40代を過ぎると男でも女でも誰でも考える問題とは思うが、私は断然”和田派”だ。
まあ、現在自分のBMIが20~21で、BMI25まで太りたくはないけれど、食べたいものは食べて生きたいなあとは思う。
皆さんは、どちら派でしょう?