院長の「JoJoブログ」
患者と医師のコミュニケーション
2013-02-14 14:38:25投稿
おかげさまで、当院には、コンスタントに患者様に来院いただいているが、最近、何冊か興味深い本を読み、あらためて、患者と医師のコミュニケーションの難しさを実感している。
今年になって読んだそれらの本は下記の通り。
医師のためのパフォーマンス学入門 佐藤綾子、日経メディカル
「医師アタマ」との付き合い方 尾藤誠司
話を聞かない医師、思いが言えない患者 磯部光章
「患者様」が医療を壊す 岩田健太郎
4冊の内容は、それぞれ異なるのだけれど、著者の言いたいことは、それほどかわらないと感じた。
要するに、医師側と患者側の専門知識の理解度による差から、行き違い、思い違いが生じることが多いのは、コミュニケーションの問題だということだ。医療者の日常は、患者にとっては非日常ということがいわれるように、なかなかそのギャップをうめることが難しい。
たとえば、医師の説明に対する患者の反応として、笑うに笑えないような内容・・・
医師「それは’機能性’の疾患です。」
患者「やっぱり私の’気のせい’なんですね。」
医師「その胸の痛みは、運動時にも起こりますか?」
患者「スポーツをしていないのでわかりません。」
医師「それは’進行性’の病気です。」
患者「私の’信仰のせい’なんですか?」
こちらは説明したつもりでも、相手はそんなこと聞いてませんというような話は、私自身毎日のように経験していることだ。けれど、それをよしとせずに、患者さんが納得できるような、パフォーマンス、コミュニケーションを心がけないといけないなあと本を読みながらつくづく感じてしまった。
私に限らず、限られた診療時間内で十分な説明というのは、永遠の課題ではあると思うけれど・・・