院長の「JoJoブログ」

花粉症

2013-03-12 18:48:48投稿

今年は、花粉が多いといわれ、現在シーズンまっただ中。
私の花粉症は、1991年発症なので、今年で23回目の大ベテランである。正しくは、98年の春は、杉がなかったので、(97年の3月から99年2月までアメリカ滞在)22回の季節を経験している。住んでいたボルチモアには杉がなく、もしかして、私の花粉症は治ったのかもしれないと期待したあの春が、ホント懐かしい・・・

発症した年は、柳井市に住んでいて、勤務先の病院の裏が、杉の山だった。その当時、今のように、花粉症が世の中を騒がすこともなく、ましてや、天気予報で、花粉情報なんてやってなかった。研修医だった当時、鼻かぜを引いたと思い、風邪薬を飲んでいたが、なかなか治らず、かといって、悪くなることもなく、なんだか今年の風邪は長引くなあと思っているうちに季節終了。2年目は、そういえば、去年も今頃だったっけ?て感じで、もしかして、これが花粉症というものか・・・と思い、3年目に確信。念のため、血液検査で抗体を調べてみると、スギだけが特異的に高い抗体価だった。

あれから20年、花粉症患者は、増え続けているようで、小学生でも結構いると聞く。いつごろからか、天気予報では、花粉情報が当たり前になってきて、今や国民病としての地位を確固たるものにしている。
わたしも、患者のひとりとして、抗アレルギー剤、点鼻薬、点眼薬、漢方薬、花粉をブロックするものがあると聞けば、大体一通りを試しているけれど、基本的には治ったわけではない。
20年の間には、よく効いていたのに、副作用のために製造中止になった薬もあるし、主流だった薬が、新しい薬におされて、消えていったものもある。
薬以外でも同じだ。数年前にはやった鼻マスク。鼻の穴にはめるもので、確かに見た目にマスクをしているようにはみえないのは、よかった。でも、私の場合、数種類の鼻マスクはどれも、鼻水落下防止に少し役立った程度で、マスクを外すときに、たまった鼻水をうけるのが大変で、とても花粉を避けているとは思えなかった。鼻の周囲に塗る花粉防止のイオンのはいったジェルというのをぬったときには、鼻をかむたびにぬりなおしていると、あっという間にジェルがなくなり、何のためにぬっているのかわからなかった。ほかにも、いろいろやってはみたけれど、結局、薬に頼っている。薬の進歩は相当なもので、昔の抗ヒスタミン剤は副作用が強くて、とうにすたれている一方、ステロイド入りの点鼻薬は、副作用は少なく、効果は抜群。20年前には考えられなかったレベルだ。

ベテラン患者として、とてもありがたい時代になったと、今日も薬のお世話になる1日。
遺伝子操作で花粉のでないスギの木が、植えられはじめたそうだけど、その木が成長するころには、私は、この世にはいないだろうなあ。