院長の「JoJoブログ」
大阪マラソン
2013-10-28 19:59:52投稿
昨日、大阪マラソンを走ってきた。
5倍の抽選で得た、出走権、この日を目標に数か月頑張ってきたつもり・・・
でも、走り終えた今の感想は、「こんなんじゃダメだ・・・」
今回、半年前の自分の記録を更新し、4時間半をきるというのが最大の目標。数日前から、タイム表を眺めては、キロ6分10秒で走り通せれば、OK。少なくとも、6分20秒をこえず、5kmを32分目安で走ればいいと、何度も何度も確認していた。
9時に号砲が鳴ってから、約6分後に、実際にスタートラインを踏み、手持ちのGPS時計をスタートさせた。なんせ3万人が走るレース。人混みの中で、あわてない、あわてないといいきかせて走りはじめた。雑誌「ランナーズ」の記事に、「前半で飛ばした(キロあたり)10秒の疲れが、30kmすぎてから30秒にも1分にもなってかえってくる。」の言葉を何度も思い出し、「飛ばしちゃだめだ。6分切って走ったら持たないぞ・・・」とつぶやく。そして、手元の時計で、1kmすぎたところで、6分20秒。よしよし。次の1㎞が5分45秒。速すぎる。次の1㎞6分15秒・・・何とかペースを一定させないといけないと考えていると、コース上の「3㎞」の表示。そして自分の時計は、3.3㎞の表示。「もう、300mもくるってんの?」とやや時計があてにならないことを感じたが、それでも、ラップタイムはあってるだろうと思いながら、時計をながめつつ進んだ。とりあえず、5kmごとのコース上の時計で、5km9:39 10㎞10:11と、目標通り5㎞を32分ですすめていたので、1㎞ごとのラップは気にしないことに・・・でも、自分の時計をみると、ペース表示がどんどんおかしくなり、ついに、キロ2分台で走っていることになったりし始めたので、「なんじゃこの時計は!!」と腹がたってきた。20㎞を予定通りで通過してからは、だいぶ脚も疲れてきて、とにかく、腕の時計を見るのはやめにすることにした。
今までイーブンペースなんだから、自分のペース感覚を信じるべし。とひらきなおったころ、ハーフの表示。タイムは2時間17分だったので、単純に2倍にしても、4時間半を切れないことが判明。どう考えても、4時間半は無理。せめて自己ベスト更新で、2時間40分は切るぞ。と目標をはやくも断念して、後半に突入。
25㎞すぎてから、左足底にマメができたと思われる痛みを感じ、「もう、限界」と何度もつぶやく。その一方、またまた雑誌「ランナーズ」にかいてあった、「脳が限界という指令をだしても、体は限界にはないはず。脳は本当の限界の前に限界を告げる。」というのを思い出して、給水のたびに、数メートル歩くと、また走るのは無理!と思ってしまう自分に「限界でも限界じゃないはず」と言い聞かせる。
30㎞の給食エイドでは、後で聞けば、どらやき、パイナップル、トマト、いなりずし・・・まだまだいっぱいあったみたいだけど、止まると脚が動かなくなりそうだったので、ゆっくり走りながら、「ゴボウの漬物」というのに気を引かれて、ゴボウをわしづかみにし、他の食べ物には目もくれず、漬物をかじりながらはしった。甘いものが好きでない私にとって、漬物は魅力だったけど、これがまた、塩辛く、すぐに喉がかわいてきたので、失敗だった。
そのころから、つらさも尋常ではなくなってきていた。ペースを落として楽になりたいと弱気になっていると、よいペースで走っている蛍光色のシャツを着た男性をみつけたので、彼を勝手にペースメーカーに決め、5m位後ろをひたすらついていく方針に切り替えた。実際、多くの人はスピードを落としてきているし、前にいる人のほとんどを抜かしたんじゃないかというくらい、抜かして走っていたので、その男性について行ったのは大正解だった。そして、35㎞。のこりをキロ6分でいけば、もしかしたら4時間半を切れるかもしれないというかすかな望みがまだあることがわかり、奮起。ついに蛍光色の男性をおきざりにしてしまった。ここまでくれば、現時点で可能な限りの速さで走るのみ。でも、あと5㎞の表示のあと、その先はなんと上り坂。そこは、普段走っている坂道を思いだし、「こんなの坂じゃねえ!」と言い聞かせて、前を走る人をひたすら抜いた。坂を下ってからは、あと4km、あと3kmとゴールにむかうだけ。けれど、あと1kmの表示のあと、フィニッシュゲートがすぐに見えると思いきや、これがみえない。「ゴールはどこなの?ゴールがみえたらもう少しがんばれるのに・・・」と思ったところで、インテックス大阪の陸橋に大きくかかれた「ゴールまであとたった220m」の文字が目に飛び込んだ。
このたった220mが長いこと長いこと。フィニッシュゲートがみえてホントに最後の最後に数十メートル、スパートをかけて、無事ゴール。その時の時計表示が4時間36分をすぎていたので、マイナス6分をしても、超微妙なタイム。でも、もう、記録はどうでもよかった。ゴールした瞬間、1歩も走れなかった・・・
ちなみに、ゴール直後に手元の時計をみてみると、走行距離が70kmになっていた ・・・
あとで、インターネットの「大阪マラソン、ランナーズアイ」というページで自分の記録をみた。
なんと、ハーフまでが2時間15分58秒。後半が2時間13分02秒。4時間半を1分切っていた。しかも、最も速い5㎞のラップタイムがマラソンで最も苦しいといわれる30~35㎞の31分15秒だった。一番遅い5kmが10~15㎞の32分35秒なので、42.195kmをオールイーブンペースで走ったといってもいい。記録だけみると、すごいことをやったと思わんでもない。
20㎞地点での順位が12612位だったのが、最終順位が8665位になっているので、20㎞以降、3947人を抜いて走ったことになる。約4000人抜きの快挙!!!
大満足の結果・・・なのに、今一つうれしくない。
何故か・・・
とにかく、初めから最後までタイムとのたたかいで、まったく楽しくなく、ひたすら苦しかったから・・・
途中、何度も、私はそもそも健康のために走り始めたのに、なんで、こんなにつらい思いをしてるの?これだけあちこち痛いのは、体に悪いじゃんか・・・と思いながら走っていたし、大阪の景色もまったく目にはいってないし、何万人という応援の人々の声援に答えることもできず、何百台と出会ったカメラに手を振ることもできず、給食エイドでほとんど何も食べず・・・
マラソンを楽しく走るには、もっともっと体を鍛えなければ、余裕を持っては走れない。タイムなんかねらわず、完走するだけならいいようなもんだけど・・・
全身の筋肉痛と闘いながら、今後のことを考えているフルマラソン完走翌日の私。
次は、ロードバイクだなあ・・・