院長の「JoJoブログ」

東大理III

2014-04-15 18:06:32投稿

先日、東大の入学式が他の大学より少し遅れて挙行された。
晴れて東大生となった学生の中に、しかも、理Ⅲに入学した学生の中に、山口県内の高校から入った子がいるとのこと。山口県内の高校から理Ⅲに合格者が出たのは、実に15年ぶりらしい。(山口県出身で、他県の進学校に通っていた子はいる)今春、Y高校から現役で理Ⅲに通ったとのうわさは、私も知っていたが、15年ぶりというのを聞いて驚くやら嘆かわしいやら・・・

国内の受験業界では、今も昔も東大がそのトップに君臨し続けている。私が30年ほど前に受験生だったころも、偏差値ランキング表の一番上には、東大理Ⅲの文字が燦然と輝いていた。しかし、少子化の影響で30年前の18歳人口と現在のそれは、半分くらいにまで減っているにもかかわらず、東大の入学定員は3000人のまま。はっきり言って、昔より広き門になっているといえる。そういう意味では、東大合格者の3000人目は今のほうがずいぶんレベルが落ちているということにはなるが、トップ100人の理Ⅲというのは、常に国内トップ100人なので、レベルは落ちていないのだと思う。
そして、もう一つ変わっていないのは、理Ⅲに合格する生徒の出身校だ。昨年理Ⅲ100人のうち、灘高出身者が27人とのこと。これも、ちょっとオドロキ((+_+)) 3割近くも高校から同じメンバーってあり?
何でも、灘高では、普通のレベルで東大なので、理Ⅲに入らないと、「できるヤツ」とは認められないらしい。逆にいえば、特に医学部志望でなくても、「できる」から理Ⅲへということになるようだ。

まあ、いずれにしても、東大理Ⅲに入ろうと思うと、まず有名な進学校にいないといけないということは以前よりもさらに顕著になっているようだ。田舎にいたのでは、ライバルもいないし、指導できる先生もいないということだ。けれど、せめて、2-3年に一人は、山口県出身の東大医学部生がいてくれることを願う。

そして、勉強ができるから医学部へという風潮も、以前より強くなっていると聞く。医学部出身の私からすれば、日本のトップに立つ人、国を動かす人は、医学部ではないので、ホントにできる人は、文系に行くべきなのだ。日本のトップ100人を集めるなら、文Ⅰの定員も100人にして、「できるヤツ」が理Ⅲよりも文Ⅰに行きたくなるようにしたほうがいいように思う。そして、限られた進学校の出身者だけにかたよらず、全国津々浦々、いろんな能力をもった生徒が入学したほうが、優れた人材を発掘できると思うのは、田舎医学部卒の私だけだろうか・・・