院長の「JoJoブログ」
お好み焼き
2015-02-16 13:01:54投稿
週末、私用で大阪に行ってきた。
知人数人と、なんばで食事をすることになったが、あまりおいしい店もわからなかったので、まあ、大阪と言えば、お好み焼きでしょ。ということで、通りがかりのお好み焼き店へ。
その店は、個別のテーブルごとに鉄板があり、店員がそこに来て焼いてくれるという方式。
まずは、肉やイカなどのわずかな具と卵、山盛りのキャベツがはいったステンレスのボウルを持ってきて、細長いスプーンで中身を混ぜまくる。そして、それをすべて鉄板上にあけ、焼くだけ。あとは、途中で鰹節をふり、2回ほどひっくり返して終了。
定番の、青のり、ソース、好みでマヨネーズをかけて、食べるのだが、食べて一口。「何か違う。」
もう一口食べて気づく。「このソース、おたふくじゃない。」
広島生まれの広島育ちの私は、高校生になるまで、お好み焼きと言えば、具をすべて別々に焼くもので、それがお好み焼きの世界基準と思っていた。関西では、すべての具を初めからグチャグチャに混ぜ、それを焼くだけと知ったとき、というか、広島のお好み焼きは、広島にしかないと知った瞬間のカルチャーショックは、今でも鮮明に記憶しているほど大きいものだった。
比治山と呼ばれる小さい山のおかげで、原爆で焼け残った広島市内の下町、人口密度が高い地区。今では、再開発されて、私が幼いころに過ごした街は、跡形もなくなっているけれど、昭和40~50年代、自分の住んでいた家から200m位の場所にあった、お好み焼き屋のお好み焼きは、それはそれは、とてもおいしく、大好きだった。あるじのおばちゃんが、お玉の裏側で、ひたすら薄く、下地を丸く広げる様子をじっと見ていた私は、これは、プロにしかできない技だと、子供心に思っていた。まったく、中の具をみだすことなく、見事にひっくり返すおばちゃん。職人業だった。
そして、その焼いたものを美味しくしているのが、たっぷりいくらでもかけてほしい、おたふくお好みソース。広島で、広島のお好み焼きのために、開発されたこのソースが、味のすべて。
その当時は、広島でしか手に入らなかったが、今では、お好み焼き業界で、おたふくソースが全国シェアナンバーワンを誇っている。広島風でないお好み焼きでも、ソースだけは、おたふくソースがかかっているのが当たり前。
それが、今回、具はグチャグチャ混ぜるだけだし、キャベツが99%だし、ソースはおたふくじゃないし・・・楽しい知人との会話がなければ、まったくつまらない食事だった。
そして、翌日、新大阪から帰るとき、昼食を食べることになって入ったラーメン屋。そこで、「当店名物、お好み焼きラーメン」という世にも奇妙なメニューをみつけたので、夕食のリベンジと思って、注文。
出来上がりをたべてみると、まあ、汁っぽいソース焼きそばに、目玉焼きがのっかっている感じの代物。そして、このソース焼きそばも、「これはおたふくソースの味じゃない」
これから、大阪に行ったときには、お好み焼きをたべるのはよそう。