院長の「JoJoブログ」
予備校講師
2015-07-07 23:58:43投稿
「今でしょ」で一躍有名になった今や芸能人ともいえる林修氏。
そのおかげで、東進ハイスクール、東進衛星予備校は、コンビニと同じくらいあるのではないかというくらい、どこにでも進出している。
自分が受験生だった30年ちょっと前にも、今ある大手予備校(ちまたでYSKと呼ばれる)はあり、私もその一つにお世話になっていた。(そのかいあって、第1志望ではない山大になった・・・)
そのころは、予備校も少なく、大手以外に通う生徒はあまりいないようだったが、今やYは崩壊寸前だし、九州山口地区では、N予備だし、あのころなかった東進はそこらへん中にあるし、大手は苦戦しているようだ。
それでなくても、センター試験が廃止にむかっている受験業界は、他人事ながら大変そうである。
そんな中でも、このギョーカイで生き残っていくには、とにかく、稼げる講師が必要らしい。
ここ数年、大学受験にかかわることが多く、予備校関係者と話す機会が何度かあったのだが、人気講師というのは、その筋からのヘッドハンティングがあるようで、3つの予備校のかけもちなんかはザラとのこと。要するに、どこかの予備校の正職員として働くわけではなく、芸能人顔負けのフリーアナウンサーのように、売れっ子講師は、あちこちに登場するってことだ。今日は、東京、明日は、九州で授業なんて当たり前。それだけ交通費を出しても、予備校側がひっぱってくるほどの講師たちは、高額納税者に違いない。
実際、東進をはじめ、最近の予備校は、衛星授業が多いので、一度録画しておけば、何千人もの受験生に教えることができるわけだし、教壇に立つナマ授業との両立も可能ということらしい。
そんな引く手あまたの講師の授業たるもの、どんなものかと、20年くらい前から看護学生に細々と講義をしている自分としては、とても興味があった。
数学、理科、社会に関しては、30年前の100分の1くらいしか知識がないと思われる自分でも、英語と現代文なら、何とかついていけるかもしれないと、何度か予備校の授業に潜り込ませてもらったことがある。
受験生を眠くさせないコツというか、冗談の混ぜ具合が絶妙で、それでいて、時間内に予定していた内容をすべて教えきるという英語の授業は、本当に興味深いものだった。その講師も、聞くところによると大手2校でも教え、日本全国渡り歩いているらしかった。渡り歩きながら、彼らは、今日のネタは何にすると決め、脱線する部分と問題を解く授業の時間配分をしっかり準備した上で講義しているのに違いないと感じた。
つい先日、人気現代文講師の公開講座に参加してみたが、彼もまた、明らかにネタを準備していた。若い生徒たちが笑ってくれそうなジョークでひきつけておいて、勉学の核心部分にもっていくという技。学校の先生たちにも見習ってもらいたいし、自分もそのあたりを身につけて、何とか学生を眠らせない授業をしたいなあと考えさせられた。
ただ、人気予備校講師は、林修氏もそうだけど、いわゆる世間でいうとのことろのアウトサイダー的な人が多く、いろんな職業を転々としていたり、大学をいくつも出たりしているような人が目立つ。近頃では、そんな講師にあこがれて、初めから予備校講師を本職として目指す若い人も結構いるらしいけど、やはり、あの生徒を引き付けるカリスマ講師の源は、一般人とはちがう人生経験じゃないかと思う。まぁ、どんな職業でも、カリスマといわれるような人たちは、多かれ少なかれ一度はレールから外れている場合が多いような気はする・・・
なかなか難しいけれど、少しでも、自分の講義を聞いてくれた人が、あの授業は面白かったといってもらえる講義をしたいものだと、予備校講師を見習いたい看護学校講師の私である。