院長の「JoJoブログ」
1/3の法則
2015-10-01 23:52:40投稿
医療者向けの雑誌「日経メディカル」のWeb版の本日付号で、気になるコラムが出ていた。
お題は、「女性医師の結婚と1/3の法則」というものである。筆者は内科の女性勤務医で、3人の幼児を育てている(私よりははるかに)若いドクターだ。以下に、記事を抜粋する。
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現在、女性医師は全医師の2割弱を占めます。(中略)
ところで、女性医師の結婚に関連して「3分の1の法則」という言葉を耳にしたことはあるでしょうか。3分の1は生涯独身、3分の1は結婚後に離婚、残りの3分の1は結婚、という法則があると言われているのです。「え?女性医師で幸せな結婚生活が送れるのは、わずか3人に1人だけ?」といささか驚きの数字です。この法則は“都市伝説”のようにも思われるのですが、実際に私の周りをぐるりと見渡しても、ほぼ当てはまっている印象です。
2012年の総務省「就業構造基本調査」をもとに職業別の生涯未婚率を算出した結果によれば、男性医師の生涯未婚率はたった2.8%なのに対して、女性医師はなんと35.9%に上るそうです。男女間で未婚率にこんなにも開きがある職業は、医師をおいてほかにはないでしょう。ちなみに、女性全体の生涯独身率は10.6%とのこと。医師という職業を選んだ女性は、結婚しない割合がものすごく多いということが言えます。
また、同じく「就業構造基本調査」において、年収別のデータをみると、男性は年収が高ければ高いほど生涯未婚率は低いのに、女性ではなんと真逆の結果。年収が1000万円を超える女性は未婚率が40%にもなるそうです。「高収入で経済的に安定している」というポイントは、結婚に際して男性にとってはかなり有利であっても、女性においては逆に男性から敬遠され得る「負の材料」になるわけです。 (後略)
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結婚してもしなくても、子供を持つ場合と、持たない場合があり、結婚よりも子供がいるかどうかのほうが、仕事には影響あると思うが、3人に1人しか結婚していないというのは驚きだ。私自身、産婦人科医になった時に、結婚して子供もいて、勤務医をしている女性医師の先輩は同門で一人もおらず、とにかく自分は、結婚して子供を産んでさらに産婦人科医を続けるんだと、強い意志を持っていたつもりだった。実際、出産後に、職場に復帰するときに、当時の医局長から、「えっ、働けるの?当直できるの?」と、全く期待されていないというのがわかって、意地でもやめないぞと全面復帰をしたものの、1歳と3歳の子供を抱え、フルタイムでみなと同じだけ当直をこなす生活は、世間から隔絶されている感じだった。今考えても、2度としたくないと思ってはいるし、あんなの人間のまともな生活とは言えないと思う。当時は、前例がないため、時短だとか、当直免除とかということは、自分をはじめ、産婦人科医の世界では考えるひとはおらず、フルで働くかやめるかの選択しかなかった。さすがに女性医師の割合がどんどん高くなり、医局の考えも時代とともにかわってきたが、そのころには、私は開業という道を選択し、15年間の当直生活が終了した。
現在、勤務そのものは、時間通りで過ごせるが、経営者としての忙しさは、また別のものがある。
仕事なんて、なんでもそうだと思うが、責任が重いほど、自由は利かなくなるだろうし、仕事と子育ての両立は、当分、日本社会においては、大きな問題として、続いていくんだろう。
ただ、産婦人科医としては、とにかく、女性には35歳までに、産みたい人は産み終えて、妊娠、出産のリスクを低くしてほしいし、超高齢化社会のため、出生率が上がることをとても望んでいる。
世の若い女性医師たちに、何とか頑張って、子供を産み、仕事も続けてくれと願わずにはいられない。