院長の「JoJoブログ」

伏見稲荷大社

2018-04-30 23:36:46投稿

 ゴールデンウイークの前半、私用で京都に1日だけ出かけてきた。
観光目的ではなかったのだけれど、帰りの新幹線の時刻まで、2時間あったので、京都駅から近い伏見稲荷大社に寄ってみることにした。今まで、京都には、数年に1度は来ているのに、有名な観光名所をほとんど訪れたことがない私。
伏見稲荷大社は、いわゆるお稲荷さんの本家本元ということだけで、どんな所かも知らず、とりあえず、京阪電車の伏見稲荷駅で降りてみた。
天気もいいし、連休中なので、人は多いだろうと思ってはいたものの、まあ、夕方4時過ぎてるし、そこまで混雑してないだろうから、1時間くらいでさっさとまわって帰ればいいやくらいにしか考えていなかった。けれど、駅からは、大社から帰ってくる人だけでなく、むかって行く人も結構な数。一人旅の私は、日本語以外をしゃべる人々の間をぬうようにして、とっとっとっと早歩き。


正面の建物、重要文化財の桜門は、たちどまる人たちをかき分けてすすみ、形だけ本殿にお参りをして、大社の裏山、稲荷山に向かう。稲荷山山頂までの坂道の階段に、鳥居が連続しているのが、有名な千本鳥居。場内の案内図をみると、鳥居の並ぶ略図が描いてあり、結構な数の鳥居があるんだなとは思っていたけれど、なんせ、狭い鳥居のトンネルを抜けていくのに、途中で止まって写真をとる人があちこちにいるし、なかなかすすまない。
鳥居が所々で途切れるたび、人の数は減っていくけれど、進めど進めど、鳥居がなくなる気配はない。階段の踊り場のように、少し広いところがあって、ここでおわりかなと思っても、またその先にトンネルがみえる。前をゆく人たちの足どりがかなりゆっくりになったころ、緑がとぎれたところから、京都市内が見渡せるようになってきた。かなり、高くなってきたぞ。もうちょっとだ!
そして、鳥居がとぎれ、階段がなくなって、小高い丘の上にたどり着いた。売店もあって、ベンチで沢山の人がくつろいでいる。
「あ~やっと着いたぁ。」
ほっとして、京都市内を見渡し、写真をとって、そろそろ降りようかなと思った時、右奥に、また、鳥居のトンネルが続いているのに気付いた・・・
「マジ?ここは山頂じゃなかったの?」
せっかくここまで来たんだから、やっぱ山頂まで行かなきゃ意味ないよなと思い、はおっていたものを脱いでリュックに押し込み、再スタート。また鳥居が立ち並ぶ階段を一段ずつ早足で上っていった。どうせ、もうすぐ着くだろうし・・・と思っていたけれど、のぼれどのぼれど、鳥居がとぎれない。気づくと、周りの人の数はかなり減ってきて、とろとろと進む人達を次々と追い抜いていくうち、大学生と思われる男子3人と私の4人がいっしょに階段を上っている状況になっていた。彼らの上るスピードが自分にあっていたし、3人の会話を聞いていると、一人が過去に山頂まで行ったことがあって、道案内的に先頭を進んでいる様子だったので、3人のあとをとにかくついていくことにした。その先頭ボーイが「次で終わりだと思うけど」というようなことを、何度か言っているのが聞こえるけれど、いっこうに終わりは見えない。何度目かの「たぶん次」を聞いたあと、「さすがに俺も自信がなくなってきた。」「おまえ、ホントに来たことあるのかよ。」という会話に・・・
私としては、彼らの後をついていくのはいいけれど、だんだん時間が気になってきた。坂を上り始めてそろそろ30分。このまま頂上まであと10分以上かかるようなら、京都駅までの距離を考えると新幹線の時間がヤバい。「もし、次に鳥居が途切れたところが山頂じゃなかったら、引き返すことにしよう。」と心に決めて3人の後を追っていくと、小さな休憩場所にたどり着き、「山頂まであと5分」の立て札が目に入った。
「あと5分!!!時間がない。引き返すか・・・いや、やっぱりここまできて、あきらめるわけにはいかん!!」
立て札の横にあった自販機で、ポカリスエットを1本ゲットし、半分くらいを一気に飲んだ後、また鳥居のトンネルへ。とにかく急いで上っていくと、見えなくなっていた3人組に追いつき、その直後ついに山頂到着。予想していた山頂とは違い、まったく、展望もできないし、広い場所もなく、朱色でない鳥居の前に賽銭箱があるだけ。帰り道の略図があったので、見てみると、来た道を帰るほうが早そうだった。
「よし、急いでおりるぞ!」標高233mの山頂滞在時間は3分。あとはひたすら階段を降りるだけ。考えてみると、初めに山頂と信じた場所は、せいぜい6合目くらい。ジーンズにスニーカーという、普通の恰好で上るには、ちょっとハードなコースといえた。
あとでわかったところによると、千本鳥居とある鳥居の数は、実は約1万本あるとのこと。山頂まで登って降りるなら、2時間くらいは見ておかないと無理とのこと。
結局、1時間ちょっとで、ひたすらのぼっておりた鳥居の階段。観光というよりも、完全なるトレーニングだった。普段ジムに行っている時とほぼ同じくらいの運動量だったし、同じように全身汗びっしょり。
まあ、1万本の鳥居は、一見の価値はあったと思うけど、あまりに早く通り抜けたので、ご利益は期待できそうにない。