院長の「JoJoブログ」
お伊勢参り
2018-08-16 23:59:03投稿
今年のお盆休みは、私的な用事などいろいろあり、1日を、三重県で過ごすことになった。
三重県というのは、近畿地方なのか東海地方なのか、本州の西の果ての人間にはあまりなじみのない土地で、私は、生まれてこのかた、足を踏み入れたのは、おそらく学生時代に1回あっただけのような気がする。それも、ほとんど記憶は定かでなく、伊勢神宮の前を通ったような気がしないでもないということしかわからず、とりあえず、今回は、お伊勢参りをすることに決めた。
おばさんの一人旅なので、まずは、本屋で見つけた「お伊勢参り」というガイドブックを読破。内宮と外宮があること。お参りは外宮から先に。など、基本的なことから学び、天照大御神の下に色々な神様が祀られている、別宮とよばれるお宮さんがいくつかあることも知った。私たち人間は、天照大御神に創っていただいたものであり、それに感謝をするのが、正宮で、願い事をするのは、別宮だけにしておかなければならないなど、いろいろとしきたりもあるのだ。その他、おみくじはないとか、鳴らす鐘や鈴もないなど、付け焼き刃知識を頭にいれはしたものの、せっかく行くのに、一人ではつまらないし、ほかに勉強したいこともあるからと、有料の観光ガイドさんを予約して、出発した。
ガイドさんは、男性か女性か、もちろん、年齢、名前もわからず、単に、「案内人」の白いはっぴを着ているということだけがわかっていた。
当日は、大阪から、近鉄特急の「伊勢ライナー」のデラックスカーに乗り、伊勢市駅で下車。予想通りの炎天下、待ち合わせの時刻に、ガイドスタートの外宮入り口に到着すると、白いはっぴをきた小柄なおじさんがすぐに目に入り、近づいて、声をかけた。
「あの~小笠といいますけど・・・山口からきました」
「まぁ、遠いとこ、よぉ来てくれはりましたなあ」
おじさんの案内のもと、鳥居をくぐり、外宮の正宮へ。皇族は、ここまでは車で入れるけれど、庶民はここまでしか入れないなど、皇族とそれ以外との区別が、ありとあらゆる場所で設けられていることを教えてもらいながら進む。正宮の前では、撮影禁止のため、それを見張る警備員?さんもいて、若干重々しい雰囲気。とりあえず、二拝二拍手一礼の流儀にのっとり、参拝。唯一神明造の建築のことを教えてもらい、すべての正宮、別宮が、20年に一度、建て替えられる式年遷宮では、外宮は左から右、内宮は右から左と決まっていることもわかった。正宮の隣の空いた土地は、古殿地として、立ち入り禁止になっていたけれど、祭りの時にしか使わない、様々な建物や、土地の一部がたくさんあり、それらすべて、一般人は普段は見ることができないことも、興味深い話だった。
多賀宮、風宮と参拝してから、表参道をもどり、今度はバスに乗って、内宮へ。参道では、ほとんどが背の高い木々の影の中を歩くことができ、覚悟していたほど暑くはなかったものの、猛暑日の真昼間を1時間以上歩いた後は、汗びっしょりで、冷房の効いたバスの車内でしばし休息。
内宮に到着すると、外宮とは比べ物にならないほどの人の数。おそらく、気候の良いときの休日などは、こんなもんではないんだろうと思いつつも、さすが、日本国最上位の神宮だなと実感。
宇治橋をわたって、第一鳥居まで、緑豊かな神苑を歩いていると、異国の地というか、別世界が開けた感じがした。
入り口の封鎖された斎館の前は、みんな素通りするけれど、皇族方が来られるときには一番大事な場所であることを教えていただき、ガイドブックにはない知識をゲット。ガイドさんは、1冊の写真集のようなものを持ち歩いて下さり、皇族が来られた時の写真や記事などいろいろと見せてもらいながら、参拝を続けた。正宮、荒祭宮、とまわり、「ここは、神馬の通り道です」と書かれた看板の前を歩き、馬小屋の前を通りかかるも、馬には会えず。
せっかくだから記念にと、ひとつだけ、お守りを購入したあとは、産婦人科医として立ち寄らねばと、最後に、女性の神様、子安神社で、参拝をして、内宮のおまいりは、90分ほどでおしまい。
宇治橋をわたって、ガイドさんに気持ちほどの防府からのお土産を渡して、私のお伊勢参りは終了した。
伊勢生まれの伊勢育ちというガイドさんの、伊勢弁が、いまひとつ、わかりにくかったのは否めないけれど、二人で歩いた3時間、初めて訪れた伊勢の良い思いでになった。
ガイドさん、ありがとう。