院長の「JoJoブログ」

ラグビー

2019-03-23 23:34:31投稿

先日、スポーツドクターの認定更新のため、スポーツ整形外科関連の講演を聞きに行った。
毎年、一つのスポーツをとりあげて、整形外科的な話を中心に行われているようで、今回は、テーマがラグビーだった。申し訳ないけど、私は、単に認定更新のために聞きに行っただけで、整形外科分野の話はよくわからないので苦手だし、以前、このブログにも書いたように、ラグビーというスポーツはあまり馴染みがない。
てなわけで、講演を聞きに行っても、眠いだけだろうなと思ってでかけたのだけど・・・

4人の整形外科医の話を聞いたわけで、確かに、手術の術式や関節の詳しい解剖の話などは、さっぱりだったけれど、意外にも、面白い内容が多かった。
現在のラグビー日本代表チームにも深く関わっておられるドクターばかりだったこともあり、今年9月に開催されるワールドカップの話がしばしば登場し、過去の試合の映像なども講演の中でたくさん使われていた。

私は、スポーツドクターとしては、女子選手の月経異常を診療しているだけで、試合の現場に行って仕事をすることはないけれど、ラグビーはまさに、試合のときがドクターの活躍の場。例えば、サッカーのチームドクターは、試合中に審判の許可がなければ、ピッチ内に勝手に入ることができないけれど、ラグビーでは、ドクターの判断で試合中にピッチ内に入っていけるという決まりがあるということを初めて知った。というのも、ラグビーの怪我は、頭頸部が最も多く、重症度によっては、命にも関わるし、初期対応で、後遺症が残る残らないが決まるようなこともあるからだ。そのため、チームドクターになるためには、結構習得しておかなくてはならないスキルがあり、当然、ラグビーというスポーツのルールを熟知している必要もある。
脳震とうの判断基準も、結構重要で、選手の意識レベルの確認のためにする質問も決まっているとののこと。「今、前半ですか?後半ですか?何対何ですか?」などは試合中の選手なら当然わかっているべき内容で、それに答えられないようだとやばいということらしい。う~ん、じいちゃん、ばあちゃんたちにする「今日は何月何日ですか?」と似たようなもんかいなぁ~

わかってはいたことだけど、なんと言っても、ラグビーは怪我が多い。現在の日本代表選手のうち、手術をするレベルの怪我をしたことのない選手はほとんどいないということを、あらためて知らされ、チームドクターの仕事が大変そうだということは、ド素人の私にもよくわかった。代表選手のそろった写真がスライドで出され、この中で、何人が膝靭帯の損傷をしてます、何人が腱板断裂をしてますなどと、次々、怪我の実態を言われ、挙げ句の果てには、ラガーマンであるドクター自身も、「私も、手術うけてます」とのこと。しかも、自分の息子にもラグビーをさせて、怪我をした息子の治療もしているというドクターまで。なんと、怪我が好きな男たちの多いこと。

今回は、ラグビーがテーマで、それにかかわるドクターたちのほとんどが、学生時代(中には現在も)ラグビーをしているという講演会。彼らのラグビー熱に、ちょっと感化されたこともあって、ワールドカップもあることだし、もう少し、私もルールを学んで、観戦できるほうが楽しいのかな思い始めている。これまで、ラグビーなどという危険なスポーツ、する人の気がしれんと、テレビ観戦もしたことのない自分。とにかくルールがわからないのが、何よりも面白くない理由なので、こっそり、「初心者のためのラグビー基本ルール」などというサイトを見たりしている今日このごろである。