院長の「JoJoブログ」
3月10日
2020-03-10 13:36:14投稿
今日は、3月10日。
多くの日本人にとって、本来、忘れてはならない日だけれど、テレビ番組の中で、東京都内で若者から年配の人に街角インタビューをしたところ、この日が何の日かがわかる人は2割程度にしか満たなかったようだ。
私は、広島生まれの広島育ちで、被爆2世でもあるため、ものごころついたころから、いやというほど原爆の恐ろしさを聞かされてきたけれど、小学校にあがってからは、広島の8月6日、長崎の8月9日、東京の3月10日は忘れてはいけないと教わった。
75年前の今日は、東京大空襲で、10万人を超える死者を出し、首都が焼け野原となった日。それより23年まえの9月1日の自然災害である関東大震災のほうが、防災の日に指定されたりしているので、日付を覚えている人が多いようには思うけれど、空襲は、人工的な災害であるので、いろんな意味で忘れてはならない日だと思う。
そしてまた、昭和50年の3月10日は、山陽新幹線全線開通記念日でもある。3月10日ときいて、東京大空襲のあった日と答える人よりも、さらに人数は少なくなるとは思うけれど、自分にとっては、40年以上たった今も、当日の興奮した光景が目に焼き付いており、3月10日は忘れられない日なのだ。山陽新幹線が、博多まで開通したその日、幼いころの私は、広島駅にその姿を見に行った。その3年前に岡山まで開通していた新幹線が、広島までやって来る日を、みんなで待ち望んでおり「今度、広島駅から新幹線に乗れるようになるんじゃけぇね!」と親にいわれて、楽しみにしていた。戦後30年たって、焼け野原と化した広島の本当の復興の日だったかもしれないこの3月10日という日付が、なぜ、私の心の中にずっと残っているのかはわからないけれど、戦争で苦しんだ親世代の人たちの喜ぶ姿が、子供ごごろにも、うれしかったのだと思う。
そして明日、これは、ほぼ現在の日本人の誰もが忘れていない日であろう、3月11日。東日本大震災から9年となる日、個人的には、震災の被害を何も受けなかったけれど、いまだに被災者だという人がたくさんいる中で、今度は、未知のウイルスと闘わなければならなくなってしまい、誰もが、平和に、そして健康に過ごせることを祈らずにはいられない。