院長の「JoJoブログ」

新年度を迎えて

2020-04-01 12:08:36投稿

今日から新年度。
ただ、今回ばかりは、世界中で、大変なことになっており、フレッシュな気持ちになれない暗い春を迎えなくてはならなくなった。

この1週間で日本国内での新型コロナウイルス感染者が急激に増え、現時点で、まだ爆発的ではないと政府は言っているけれど、都会の医療関係者はすでに悲鳴を上げていると聞く。
毎日のように、普通に診療をしながら、医療関係者の一人として、私だけこんなに普通にしていて、普通に仕事ができていて申し訳ないなと思いつつ、かといって、診療をやめるわけにもいかず、内科医でない自分が感染症の人を診察できるわけでもなく・・・仮に内科医であっても、うちのクリニックには、陰圧室も隔離できる部屋もなく、マスクもアルコールもほぼ底をつきつつある中で、とても自分やスタッフを守ることができない。
世界中で感染している人の中に多くの医師、看護師が含まれていることを考えると、自分たちの仕事って経済に左右されない仕事である反面、危険と責任の重さは他の仕事と比べられないほどのものなんだなと改めて自覚させられている日々だ。
亡くなった志村けんさんの治療にも使われたECMOなんて、本当に、管理が大変で、治療にあたるスタッフがきっと寝ずについておられたんだろうということは、容易に察しがつく。私も、産科医として大学病院でNICUに携わっていたことがあるので、重症な新生児の管理でECMOを使う場面に出くわしたことがあり、担当医が、「もう、ECMO回すしかない・・・今日から地獄が始まる」と言っていたことを思い出す。

この春、大学を卒業し、卒業式もないまま、今日から社会に出ていくことになった息子が、先日、「こんなことになるなんて、俺は生まれて初めてだから・・・」と言っていたが、都市封鎖だの、外出禁止だの、世界中の人がみな、生まれて初めての事態に遭遇しているのだ。75歳以下の日本人は戦争だって経験していないし、戦時下の”我慢”と同じレベルの”我慢”をしないとこのコロナショックを乗り切ることはできそうにない状況になってきた。それでも、自分にできることは、3密を避ける事と、手洗いくらいしかないのが、申し訳ない気持ちだけれど、田舎者も都会でおきていることを他人事とは思わずにみんなで実行してもらうしかない。