院長の「JoJoブログ」

姑の遺品整理は迷惑です

2020-05-18 18:54:24投稿

おうち時間が増え、断捨離をした、しているという人が、自分の周りにも結構いるし、SNSやネットニュースなどでも、話題になる今日この頃。その分、普段のごみ置き場のごみが増え、リサイクルショップへの持ち込み量も増え、フリマアプリで売りたい人が増えていると聞く。

個人的には、せっかく時間があるんだから、断捨離をしたいな、しようかな、しなくちゃな・・・と思っているだけで、時間があるときには、ついついポチっとしてしまい、Kindleで、電子書籍を買っては読みを繰り返している日々。趣味は読書というほどの読書量ではないものの、ここのところ、3日に1冊程度のペースが続いている。

新聞の話題の本のコーナーで、垣谷美雨著「うちの父が運転をやめません」という題名にひかれ、それまで名前を聞いたこともなかった、垣谷美雨という作家に興味をもち、この1か月で、彼女の小説を5冊も読んだ。なんせ、作者は、高度経済成長期に子供時代を過ごし、バブル全盛期に社会に出てすぐにバブル崩壊している世代で、小説の主人公も、ほぼ同じような年代の庶民が描かれていることが多い。それは、私自身の体験してきた社会と共通点が多いので、小説の中身が、「あるある」だらけで、一気に読んでしまいたくなるストーリーだからだ。
そして、これまで読んだ本の中の、極めつけ、256ページを一度も休まずに一気読みした本が、「姑の遺品整理は迷惑です」だ。
主人公は、更年期のパート主婦で、一人暮らしの姑が脳梗塞で急死し、その姑の暮らしていた3DKの公団住宅を片付ける物語。その中に、姑が明らかに不要なものをたくさんため込んでいてうんざりするシーンが何度も登場する。自分は断捨離をして、いらないものは残さずに生活するのだという主人公が、最後に、姑の生きた証を見つけることができて、感謝するという垣谷美雨流ハッピーエンドストーリー。
私にとっては、小説のあちこちに、あまりにも、自分の気持ち、自分の家族に共通するシーンがちりばめられていて、読みながら声がでてしまうこともしばしば。
そして、読み終えた今
次の休診日から断捨離を決行するぞ!
決意が固まった。