院長の「JoJoブログ」
カラス
2022-04-18 19:28:50投稿
3週間前、クリニックを出て歩いていた時、脇の道路にたつ電柱の上の方に、何本か枝木がかかっているのを見た。
「あれ~なんだか変。もしかして、鳥が巣をつくろうとしているのかしらん?」と思って、立ち止まっていたその時、カラスが枝切れをくわえて、電線にとまった。
「こんなところに、巣なんて作んない方がいいよ。」とカラスに伝え、その後、そのことは忘れていた。
その2日後の朝、クリニックの診察室の窓から外をみて、びっくり。完全なる巣となって、2羽のカラスが電線にとまっている。その電柱からクリニックに電線を引いているので、まず心配になったのは停電。カラスには悪いけど、うちが停電になったら困るし、巣は取り除いてもらわなきゃ。
そこで、中国電力のホームページをひらき、色々調べていると、電柱に鳥の巣を見つけたときの連絡方法が判明。写真を撮って現状を知らせてくださいとあり、電柱の番号も確認して下さいとあったので、クリニックを出て、電柱の番号を見に行こうとすると、すでに、先に通報した人がいたようだ。
え、鳥の巣駆除って、こういうことなのか。あまり危険でなければ巣立ちまで待つってこと?ということは、これから毎日、カラス観察できるのかしらん?停電は大丈夫なのかなぁ?
そして、次の日から、毎日巣を眺めるのが日課になった。時々、巣から顔をのぞかせている姿もあり、おそらく卵を温めているんじゃないかと思われた。
こうなると、カラスの巣作り、子育てって、どのくらい時間がかかるのかなど、色々気になり始め、ググって見ることにした。
どうやら、カラスは子育てのためだけに巣をつくり、大体3~6月ごろがその季節。卵は1個ずつ3~5個うみ、孵化するまでは20日くらい、ひなが巣立つのに1カ月くらいかかるということが判明。巣立ってしまったら、もう巣を使うことはないとのこと。メスが卵を温めている間、オスが餌を運ぶようだけど、1個ずつ生むので、卵によって個体差が出るらしい。また、ヒナがいるときのカラスは、攻撃的になるので、注意することが大事 etc.etc.
人間サイドからいうと、カラスは鳥獣保護法で保護されているので、卵やヒナのいる巣を個人が勝手に取り除くことは禁じられているそう。専門の業者に依頼するなど、電柱なら電力会社、庭木であれば、自治体などに相談することなど、これまでに興味もなかったことだけど、調べてみると、新しい知識を得ることができた。
そんなこんなで、観察日記でもつけようかと思っていたら、その数日後、巣は完全に取り除かれていた。
クリニックが休診だった木曜日に、作業車が2台やってきて、通行止めになって、大がかりな撤去作業が行われたと、偶然通りかかった人から聞いた。
結局、今回の巣の命は1週間だったことになる。ちょっと、カラスには気の毒だけど、人間様のほうが立場が上なので、仕方ないなぁ。
普段の姿にもどった電柱を少し寂しくながめていると、今度は、すぐ目の前の民家の庭の木にとまっているカラスを発見。営巣の早い時期に駆除された時には、また近くに巣を作りなおすと書いてあったので、どうやら、リベンジらしい。1羽が小枝をくわえてやってきて、また別の1羽もやってきたので、巣作りに違いない。今度は、電柱にあった巣のように、はっきりと確認できないけれど、おそらくあそこだなというのはすぐそばを通ったときにわかった。民家の方がどうされるのかわかんないし、害がなければいいのだけれど、カラスにはカラスの生活があるし・・・
停電を心配したり、観察を楽しみにしたりしていた自分としては複雑な気持ち。