院長の「JoJoブログ」

アウトレット

2023-02-13 21:31:56投稿

25年前にアメリカに住んでいた時、アウトレットモールで買い物するといいよと近所の日本人に教えてもらい、車で2時間以上かけて出かけて行き、「こんなものは、日本で買えないぞ」とばかり、洋食器を大量に買って帰ったのは良い思い出だ。その当時、アウトレット商品というものは何らかの欠陥があるという認識だったけど、実際、買ったものには、傷があるわけではなく、例えば、陶器の模様の隅っこに、ちょっとインクが飛んでいるなどらしいということでも、素人の自分には、何が問題なのかはわからないし、とにかく安く高級ブランドの食器が買えてラッキーと思っていた。
晴れて割れずに太平洋を渡った食器たちは、現在も我が家の食器棚で、存在感を示し、毎日のように使っているものもあり(飾り物になったヤツも多いけど)良い買い物をしたなと思っている。そんなこんなで、日本でも、似たような買い物ができるといいなと思っていたが、帰国した当時、同様のアウトレット商品を扱うショッピングモールというのを聞いたことがなかった。
実際、アウトレットモール自体は、Wikipediaによると、1980年代にアメリカで誕生した新しい流通業の形態だそうだ。実際には、もともとアメリカでブランド・メーカーの衣料品やアクセサリーなどの、流行遅れ商品や通販のクーリングオフ品、実用上は問題のない欠格品を処分するために、工場や倉庫の一角に「アウトレットストア」と呼ばれる在庫処分店舗が存在していたのを、複数メーカーを一堂に集め、モール化したものをアウトレットモールと呼ぶようになったらしい。日本では、1993年に埼玉県入間郡大井町(現:ふじみ野市)にアウトレットモール・リズムが開業(現在は閉業)したのを期に、地方を中心に建設が進んだらしいけれど、中国地方には、岡山と広島だけで計3か所のみ。土地代の安い郊外で、広いスペースを確保でき、なおかつ、採算がとれるだけの集客を見込めなければやっていけないだろうから、全国的にもどこにでもあるようなものではない。
個人的には、これまで、神戸三田プレミアムアウトレットに2回、THE OUTRETS HIROSHIMAに2回に行ったことがある。ただ、昔アメリカで行ったアウトレットに比べ、アウトレットの商品というのも、かなり幅広くなっていて、ま、普通のショッピングモールと変わらないと言っていい。扱う商品は、最新モデルがでたあとの、ひとつ前の型のようなものが主流みたいだけど、アウトレット専売商品もあり、ブランド品の廉価版を売っているらしいが、買う側が気にしなければそれでよし。
そんなこんなで、この週末、3回目のTHE OUTRETS HIROSHIMAに行ってきた。あるブランドショップの入り口に、”店内全商品、表示価格の25%引き”と書かれていたので、特に買いたいものがあったわけではないけれど、入ってみた。何となく、50%OFFの棚にあったジャケットをみていると、美女店員さんが近づいてきて、色々と説明してくださる。「これは、本来、百貨店にしか入荷されない商品で、アウトレットでは当店に1点のみです。」などという。【う~ん、百貨店にしか入荷されないとはどういう意味?百貨店で余ったヤツということ??】「お客様のお肌のお色によくお似合いです。お肌はブルータイプですね」【何?ブルー?】などど、こちらが答える間を与えず、次々とまくしたてられたため、「ちょっと、他もみて考えます」と答えると、”とてもよくお似合いでしたのでご検討下さい”とささっとメモした名刺を渡された。その時点で、買う気は全くなかったのだけれど、肝心なことは聞いてなかったと思い、「ちなみに、おいくらですか?」「定価から50%OFFで、そこから25%引きですから・・・」といわれ、【ということは、75%OFFってことか・・・安いな・・・】ちょっと買おうかなという気持ちになったけれど、ここであっさり買うのも悔しいので、結局、名刺をもらって店を後にした。
その2時間後、食事やちょっとした買い物を済ませたあと、やっぱりあのジャケット気になるなと思ったので、もし、まだ売れていなかったら、買おうかなともう一度店に入った。名刺のお姉さんらしき人はいたけれど、顔の記憶は定かでなく、向こうだって、私のことなんて覚えているわけないしと思って、まっすぐにそのジャケットのある棚に向かった。2時間前と同じ位置に同じようにあり、鏡の前でもう一度あわせてみて、結局、レジに持っていくことにした。値札は、元の定価しかついていないので、ここから75%OFFだよね、もし、そうでなかったら、あのお姉さんの名刺を出して、文句言えばいいかと思いながらレジに並んだ。そして、レジの人は、電卓をだし、「この値段の50%OFFがこれで、ここからさらに25%引きですから、この価格になります。」と値段を示してくれた。
50%OFFの価格から25%OFFということは、例えば1万円の半額なら5000円、そしてそこからそ25%引きということは、5000円の75%で3750円。
単純な算数の問題・・・
75%OFFではなく、62.5%OFFだった。ホントに75%OFFなら、最初から75%OFFと表示してあるよねぇ。う~ん、客の算数のできなさを逆手にとったこの商法。まんまと口車に乗った自分が情けなくなった一瞬・・・
ジャケットは大事に着ましょうね。