院長の「JoJoブログ」
フグ
2025-01-02 23:23:25投稿
山口県の特産といえば、色々あるけれど、全国的に名がうれているのは、やはり下関のフグ。高級魚ということになっているけれど、天然、養殖、トラフグ、マフグなどピンキリで、なんだかんだと食べる機会があり、少なくとも20年以上、冬には毎年フグ料理をを食べている私。
25年くらい前から、正月に親戚が集まるのにあわせて、下関のフグを関西まで配達してもらうのを我が家の年中行事としていた。毎年のように、正月にフグを食べるものだから、甥っ子の一人は小学生のころ、フグ料理のことをおせち料理だと思っていたらしい。
そんな甥っ子も含め、甥、姪たちがみな社会人になって独立し、コロナ禍を経て、子供たち大勢を含めた親戚の集まりも難しくなり、フグを関西に送ることもなくなってしまった。
今年の年末年始も関西で過ごしていたが、フグは食べず。行事とかお祝い事とかで食べることはあっても、わざわざ食べに行ったり買ってきたりするほど、特に好物でもないし、もっと安くて美味しいものは世にあふれているので、フグを必要とはしていなかった。
そんな中、スーパーマーケットに行く時間があり、初めて訪れる大型の店で、ぐるぐるめぐっていると、鮮魚コーナーにふぐ刺しも売っていた。そのパッケージには、”ふぐてっさ”と書いてあり、思わず、
「なんじゃこれ。」
その昔、フグには毒があり、食べると死ぬかもしれないと、豊臣秀吉がフグを禁止したとかしないとかで、大阪周辺では隠語でフグのことを鉄砲と呼んでいたという説が一般的らしい。鉄砲の刺身だから”てっさ” 鉄砲のちり鍋だから”てっちり”と、関西では呼ばれている。そのことを初めて私が知ったのも、関西人の多い親戚の集まりでのことだ。初めに聞いたときは何のことがわからず、フグに限らず、刺身のことを関西の人は”てっさ”というのかと思っていたら、あくまでもフグの刺身のことだけが”てっさ”と呼ばれているとのこと。まあ、鉄砲の刺身を略したものだから他の魚とは関係ないはず。
なのに、今回、関西のスーパーで見た”ふぐてっさ”とは何事!もしかすると”てっさ”の意味が分からなかったらいけないと、わざわざ”ふぐ”を付け足した?でも、関西の人ならみんな知ってんでしょ。年末年始に私みたいに関西出身でない人のための特別パッケージなのかしらん?
年末でごった返している関西のスーパーの鮮魚コーナーで、一人立ち止まる関西人でない私。
下関ではフグのことを縁起をかついで、濁らず”フク”というといわれているけれど、山口県民になって30年以上、”フク”と呼んでいる人を聞いたことはない。
全国どこでも、フグはフグでいいじゃん。